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やまなし 宮沢賢治
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先週、学校の読み聞かせに行ってきました。
読み聞かせというのは、保護者がクラスの子供たちに本を読んであげるというもので、特に本の指定はなく、持ち時間は10分から15分くらい。
私は今回は宮沢賢治の「やまなし」というお話にしました。


子供たちは2年生になり、色々な言葉や色々な言い回しを覚えてきました。
日常会話がすんなり出来てきて、TVなどの影響で変な言葉を覚えていたりもします。
そんな子供たちにまだまだ聞いたことがないような言葉や、知っているけどいつもと違う使い方をする言葉、言い回しを知ってほしくて、宮沢賢治の本がいいのでは、と思いました。

普段使っている言葉の、本来の意味を考えずに使っていることが多い子供たちに、いま一度、言葉が持つ重みや深さ、音の響きの楽しさなどを知ってほしかったのです。

案の定、読んでいる最中に子供たちがボソッと、
「クラムボンてなんだ?」
「かぷかぷって」
(”クラムボンは殺されたよ”のところを聞いて)
「コワッ!」
とおもしろい反応がたくさんありました。
でも途中からはボソボソ話も聞こえなくなって、本の世界に入ってしまったようで、シ〜ンとしていました。


それから、この「やまなし」というお話は、情景描写がとても綺麗に描かれていて、子供たちが頭の中でその風景や情景をイメージしやすいのではないかと思いました。

今回の読み聞かせの本を選ぶ時に、私が考えた課題は、「言葉の重みを知ってもらう」ことと「頭の中で思い浮かべてもらう」ことでした。
まさにその条件にぴったりだったのがこの「やまなし」だったのです。


それだけではなく、カニの兄弟の目の前を泳いでいた魚が一瞬にしてカワセミに食べられてしまったり、後に生まれた弟カニはどんなにがんばったって、お兄ちゃんには勝てない、自然の摂理に対するやりきれない思いや恐怖心など、そういうのもちょっとでも伝わればいいな、と思いましたが、そこはまだ2年生には難しいかもしれませんね。


それから、「クラムボン」というものが何か、宮沢賢治自身が明確に示していないため、今でも「クラムボンが何を指しているのか」はわかっていないそうです。
いくつか諸説があるようですが、この「クラムボン」を子供たちが何だと思うか、興味があったのですが、これもまた、2年生にはちょっと早いので、もう少し大きくなったらもう一度聞いてみたいと思います。
by almanacforkids | 2008-07-09 00:19 | こども
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